第47章 権力も後ろ盾もないくせに、彼女と張り合うつもり?

田村良平は一瞬、言葉を失った。

橘結衣も、入ってきた人物を見た途端、足を止める。

外から入ってきた南川萌々香は落ち着いた様子で手首の電子腕時計を外し、小山英子の目の前の机にそっと置いた。

「先生。私の腕時計、録画と録音ができます。今日の午後にあったこと、全部入ってます」

市川詩織たちに、こんなふうにされるのは初めてじゃない。

証拠を残して、先生に――あるいは警察に――出そう。そう考えたこともあった。

けれど、録った映像を渡す勇気が、どうしても出なかった。

山口愛実と安田美波が言っていた通りだ。自分は後ろ盾も権力もない。提出したところで、市川家に握り潰されるかもしれない。

それ...

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